同じノーザンダンサー系で比較されがちなこの系統。
馬券の血統検討にいれる際にポイントを挙げておきたい。
Danzig系
国内ではハービンジャーをはじめとするDanehill一族が主流。
他にGreen Desertや War Front、Chief's Crownなんてのもいるが、概ね主流はデインヒルと考えてよい。
欧州のFrankelやSiyouniなどノーザンダンサー同士の配合種牡馬でも入っている。
Danzig系の種牡馬の当初は豪州などのマイル以下のスピード型が多く見られ、短距離路線の活躍が多かった。
日本で受け入れられたのは、父系種牡馬の活躍よりも母父に入ってサンデー系のスタミナや底力を補強する役割が多かったのが大きいだろう。大物誕生とまではいかずとも一時代のサポート役として大いに貢献。サンデーサイレンス自身よりも子や孫への相性の良さも息の長い相手役として選ばれた所以だろう。
Danzig系は最近だと、ハービンジャー(チェルヴィニア、ナミュール等)で活躍馬が目立つようになり、中長距離からマイルまで幅広くサポートしている。先行していい脚が使えたり、最後の競り合いもしぶとさがある(勝ちきれないことも多い)、馬群から抜け出してくるような器用な馬も多いという印象でこのあたりStorm Catとは違う。
Storm Cat系
国内ではドレフォンが一応の活躍を見せているが、何と言ってもへニーヒューズに見られるようなスピード型の系統である。米国のダートでも活躍しているので、とにかくガンガン行くスピードに長けている。
しかしその反面、一本調子な系統でもありDanzig系に比べると明らかに根性不足。更にいうと道中の融通が効かず、前で押し切るか溜めて最後の直線でトップスピードに乗せるかしかない。
一時期ディープインパクトとStorm Catはニックスだともてはやされた。確かにスピードと瞬発力の底上げはあったと思うが、いかんせん立ち回りが下手で、イクイノックスやディープインパクトといった連戦連勝タイプの大物が生まれていない。
走らなくなるとまったく走らないし、気分屋でもある。坂も苦手なタイプが多い。このあたりStorm Cat自身の母父Secretariat、というかボールドルーラーの気性がかなり色濃く出ている。ノーザンダンサー系でありながら、根性無しの淡白系統である。
ただし、自分の条件に合えば無類の強さを誇るので、目的を持って狙えば心強い一族ではある。スピードは補えることは大きな武器ではあるが、一長一短の激しい系統であるのは間違いないだろう。
【まとめ】
Danzig系:根性ありの頑張り屋。強さは見せるも時として勝ちきれないもどかしさもある。
Storm Cat系:一本調子の気分屋。スピード抜群で上げ潮時は買いだが、やる気がなくなると一気に劣化する。